10月16日(金)
金曜日の朝。
アラカンマンはカレンダーを見ながら、週末の計画を立てていた。
「せっかくの休みだ。どこかへ出かけたいなあ」
秋は景色が美しい季節。紅葉を見に行くのもいいし、おいしいものを食べに行くのもいい。
スマホで観光地を調べ始めると、次々に行きたい場所が見つかった。
公園、展望台、神社、道の駅、地元の名物料理。
「ここもいいな。あっ、こっちも面白そうだ!」
最初は近場をのんびり散歩するつもりだったのに、いつの間にか予定表がびっしり埋まっていた。
朝8時に出発。9時に公園。10時に展望台。11時に神社。昼は名物料理。そのあと道の駅に寄って、夕方には別の観光地へ……。
「完璧だ!」
自信満々のアラカンマン。
しかし、予定表を見直しているうちに、あることに気づいた。
「……休憩する時間がないじゃないか」
移動時間も、駐車場を探す時間も、食事を待つ時間も考えていなかった。
しかも、紅葉の名所は混雑するかもしれない。天気が悪ければ景色も変わる。
「これでは旅を楽しむというより、予定をこなす仕事だな」
アラカンマンは、思い切って予定を減らすことにした。
目的地は2か所。お昼はゆっくり食べる。時間が余ったら、近くを散策する。疲れたら休憩する。
たったそれだけで、予定表がずいぶんすっきりした。
「そうだよ。旅はスタンプラリーじゃないんだからな」
そして迎えた週末。
アラカンマンは、予定どおりの場所を訪れ、秋の景色を楽しんだ。途中で見つけた小さな店にも立ち寄り、予定にはなかったお土産まで買ってしまった。
帰宅後、家族に聞かれた。
「今日はどうだった?」
アラカンマンは満足そうに答えた。
「いやあ、最高だった。予定を詰め込みすぎないのが、旅を楽しむコツだな!」
そして、買ってきたお土産をテーブルに並べる。
「ところで、これは誰へのお土産?」
家族の質問に、アラカンマンは少し考えた。
「……自分へのお土産かな」
どうやら、旅の計画だけでなく、お土産の計画も甘かったようだ。
アラカンマンのひとこと
週末のお出かけは、目的地をたくさん回ることだけが楽しみではない。
行きたい場所を絞り、移動時間や休憩時間に余裕を持たせると、景色や食事をゆっくり楽しめる。
出発前には天気、交通状況、営業時間なども確認しておこう。
さあ、次の休みはどこへ行こうか。
アラカンマンは、もう次の計画を立て始めている。
今度こそ、予定表に「何もしない時間」を入れるつもりらしい。
……本当にできるかどうかは、まだ分からない。


